OpenAIの人気のある生成型チャットAI「ChatGPT」は、頻繁に大きなアップデートを行っている。8月には6つの新しいアップデートをリリースし、注目されているCode Interpreterの能力も向上した。その上、OpenAIが「GPT-5」の商標をUSPTOに申請したことも発表された。ChatGPTだけではなく、AnthropicによるClaudeなど、進行中の生成AIツールの最新情報を探る。
ChatGPTの新しいアップデート概要
2022年の11月の終わりに公開されたChatGPTは、数回のアップデートを経て、プラグインやCode Interpreterなどの機能を持つようになった。2023年8月3日には最新のアップデートが行われ、更なる新しい機能が導入された。
OpenAIのデベロッパーコミュニティリーダー、ローガン・キルパトリック氏がX(以前のツイッター)で、このアップデートの詳細を公開している。
今度のアップデートには6つのポイントがある。
- プロンプトのサンプルが表示。「旅行を計画する」や「料理のおすすめをする」といった典型的な質問が、ChatGPTを起動すると目に入る。
- さらなるプロンプトの提案機能。プロンプトを打ち込むと、ChatGPTの応答に基づいて関連する追加のプロンプトを提案される。
- プラスメンバー(有料会員)のためのGPT-4の既定選択。新しいチャットセッションを始める際、今まではGPT-3.5が標準だったが、新たなアップデートにより、プラスメンバーはGPT-4を標準モデルとして選べるようになった。
- Code Interpreterにおける複数ファイルの一括アップロード。プラスメンバー向けのCode Interpreterで、一度に複数のファイルをアップすることが可能に。
- ログインの持続性。以前は2週間ごとに自動的にログアウトされていたが、このアップデートでログイン情報の維持が実現された。
- キーボードショートカットの導入。「Ctr + Shift + O」で新しいチャットを開始し、「Ctr + Shift + I」でカスタムの指示を設定することが出来るように。
- 新しい機能についてのフィードバックは様々で、ChatGPTの操作性が向上したとの肯定的な意見や、プロンプトのサンプル表示が邪魔だとの批判もある。

プロンプト例の表示
(出展:ChatGPT)

ChatGPTに追加されたショートカットキー
(出展:ChatGPT)
ChatGPTの更新内容一覧
- プロンプトのサンプル表示
- プロンプトの追加提案機能
- 有料ユーザー向けGPT-4の既定選択
- Code Interpreterでの一括ファイルアップロード
- ログイン情報の維持
- キーボードショートカットの導入
GPT-5の商標申請
OpenAIは、ChatGPTの運用において、現在GPT-4をフラッグシップモデルと位置づけているが、今後はさらに強力なGPT-5にアップデートされる可能性もある。
Windows Latestが8月1日に伝えたところでは、OpenAIは7月18日付けで、米国特許商標庁(USPTO)に「GPT-5」を搭載したChatGPTの商標を申請したことが明らかになった。
申請書類の商標タイトル欄(Word Mark)には、「GPT-5」と記載され、その説明として「Downloadable computer programs and downloadable computer software for using language models(言語モデルを使用するためのダウンロード可能なコンピューターソフトウェア)」との記述がなされている。
Windows Latestによると、「言語モデルを使用するためのダウンロード可能なコンピューターソフトウェア」という記述は、GPT-4やGPT-3.5などの前モデルの商標申請でも使用されていたという。
ただし、商標申請自体が動作する製品の存在を確証するものではなく、実際にGPT-5がリリースされるかどうかは不明である。企業はまだ開発されていないコンセプトに対して商標を申請したり、権利を取得したりして、競合他社に先んじた知的財産保護を行うケースが多いためだ。
GPT-5の商標登録
OpenAIは現在、ChatGPTの中核モデルとしてGPT-4を採用しているが、将来的にはさらに進化したGPT-5への移行も検討されているようだ。
Windows Latestの8月1日の報告によれば、OpenAIは7月18日に米国特許商標庁(USPTO)へ「GPT-5」の名前でChatGPTの商標の取得を申し込んでいたことが判明した。
申請内容には「GPT-5」という単語が含まれており、その詳細として「言語モデル活用のダウンロード可能なコンピュータープログラム」が記載されている。
Windows Latestの情報によると、このような表現はGPT-4やGPT-3.5の商標取得時にも見られたとのこと。
しかしながら、商標の登録申請だけが製品のリリースを保証するわけではない。未発表のアイディアや製品の名前を事前に登録し、競合からの先取りや知的財産の保護を図る動きは企業において一般的なものだからだ。
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