二・二六事件:昭和初期の政治危機


1. はじめに

二・二六事件は、1936年2月26日に起きた日本のクーデター未遂事件です。陸軍の若手将校らが中心となり、政治改革を目指して東京都内で蜂起したこの事件は、昭和時代の政治史に大きな影響を与えました。


2. 背景

  • 経済的困難: 昭和恐慌や農村部の貧困が深刻化。
  • 政治的対立: 陸軍と海軍、政府と軍部、官僚と政治家など、多様な対立が渦巻いていた。
  • 思想的背景: 若手将校たちは、西洋化や資本主義に批判的で、天皇主義の強化を望んでいた。

3. 事件の概要

  • 1936年2月26日、約1,500名の陸軍将校と兵士が東京都内で蜂起。
  • 複数の要人を暗殺または暗殺を試みる。特に、財界人の岡田啓介や高橋是清が暗殺される。
  • 事件の首謀者たちは、政府の腐敗を批判し、政治の浄化と天皇中心の国家を築くことを目指していた。

4. 事件の結末

  • 当初、事件の首謀者たちは、天皇陛下や一部の高官からの支持を得られると考えていたが、天皇はこれを否定。
  • 2月29日、天皇は事件鎮圧を命令。3月3日には事件は完全に鎮圧される。
  • 事件に関与した将校や兵士らは、軍法会議での裁判を受け、多くが死刑や長期の懲役刑に処された。

5. 事件の影響

  • 軍部の権力が強まり、軍部大臣現役武官制が再確認される。
  • 事件後、政府は民間の右翼団体や反政府活動を厳しく取り締まるようになる。
  • 二・二六事件は、その後の日本の戦争への道程を決定づける大きな要因となった。

6. まとめ

二・二六事件は、昭和初期の日本の政治・社会的な状況の複雑さを示す象徴的な出来事であり、この事件を理解することは、その後の日本の歴史を理解する上で非常に重要です。

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