1. はじめに
1921年から1922年にかけて、アメリカの首都ワシントンD.C.で開かれた国際会議、ワシントン会議。この会議は大正時代の国際政治において、大きな転換点となった。今回は、その背景や内容、そして日本に与えた影響を中心に解説します。
2. ワシントン会議の背景
- 第一次世界大戦後の軍拡: 大戦終結後、各国は海軍力の増強を競っていた。特に、アメリカ、イギリス、日本の三国間での競争が激しかった。
- 経済的背景: 大戦による経済的な困難と、軍拡競争による負担が増大。
3. ワシントン会議の内容
- 五大国海軍軍縮条約: アメリカ、イギリス、日本、フランス、イタリアの5大国が、主力艦の保有トン数と建造停止期間を定めた。日本はアメリカ、イギリスに対して5:5:3の比率での軍縮を受け入れた。
- 九カ国条約: 中国の主権尊重と門戸開放政策を定め、中国に対する列強の権益を調整。
- 四カ国条約: 太平洋地域の地位を保障。英米日仏4国が参加。
4. ワシントン会議と日本
- 艦隊の削減: 日本は、多くの戦艦を廃棄することとなった。
- 外交的挫折: 軍縮の比率や条約内容は、日本の国際的地位の低下と捉えられ、多くの国民から反発があった。
- 平和的外交の方針: しかし、長期的には、日本は軍縮と平和的外交の方針を採ることとなり、国際的な協力を模索するようになった。
5. まとめ
ワシントン会議は、大正時代の国際政治を大きく変える出来事であり、日本の外交政策や軍事政策にも大きな影響を及ぼしました。大戦後の国際的な緊張を和らげる一方で、日本の国際的地位や政策に関する議論を巻き起こすこととなったこの会議は、20世紀初頭の国際関係を理解する上で欠かせない出来事と言えるでしょう。
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