14日の午前中、ロシアのルーブルが1ドルあたり100ルーブルの大台を突破し、約1年5ヶ月の最安価格を更新した。ウクライナとの戦争がロシア経済を圧迫し、国際制裁のための政府の財源も減少していることが背景にある。また、金融方針についての政府内での意見の相違も明らかになっている。
その日の午前、外為市場で1ドルが101ルーブルとなった。1ドル100ルーブルを下回るのは、昨年3月のウクライナの全域侵入直後に、過去最低の1ドル120ルーブルを記録してから初めて。
ルーブルは、年明けからドルに比べて約25%の価値を失っており、最近の数週間は下降トレンドが続いていた。昨年6月には、西側からの制裁にもかかわらず数年間での最高値を記録していたが、その値からほとんど半分の価値に落ちた。侵入前は1ドルが約76ルーブルだった。
ブルームバーグの情報によれば、ルーブルの今年の25%の価値下落は、新興国の通貨の中でトルコのリラやアルゼンチンのペソと並んで最悪の3つに入っている。
ロシアの高級職員が中央銀行を公然と非難
ロイターの報道によれば、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの経済アドバイザー、マクシム・オレシキンは、今日のタス通信の記事で、ルーブルの最近の価値減少とインフレーションの高まりの背後には「ロシア中銀のゆるい金融政策」があると非難した。
侵略以降、ロシアの政府機関の間での意見の不一致が公になるのは珍しい。オレシキンは、政府は「堅固なルーブル」を求めており、その価値が早めに安定することを望んでいるとも明言した。
ロシアの中央銀行は、7月には予想を超える利上げを行った。そして、先週はルーブルの価値を保護するための外貨購入を年末まで停止すると発表した。さらなる利上げが近く行われると見込まれている。
ロシア中銀は、ルーブルの下落は主に国際取引の悪化に起因するとし、政府の立場とは異なる見解を示している。
これまでのルーブルの価値は、エネルギー輸出などのロシア経済の核心となる取引の状態が主要な推進要因であった。
欧州、ロシアの原油・ガスの主要な購入者は、侵略の前に距離を取って価格に制約を加えた。しかし、ロシアは以後、アジアの国々、特に中国やインドとの取引を増やしている。最近は、需要が増加しており、原油の価格も上昇している。
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