フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ

生没:1844/10/15 – 1900/8/25

研究:ギリシア哲学、文献学

概念:力への意志、君主–奴隷道徳、超人、反キリスト、反・反ユダヤ主義、反国粋主義、運命愛、ルサンチマン

ニーチェは、ドイツの哲学者で、ギリシア哲学やショーペンハウアーなどから強く影響を受けました。

数多くの文献を研究し、様々な分野に精通しており、鋭い批評眼で西洋文明を革新的に解釈しています。

ニーチェの主な概念は「ニヒリズム」。

お腹がペコペコなキツネが、ブドウの木を見上げています。ブドウを食べようと、必死に飛び跳ねますが、何度ジャンプしてもブドウには届きません。ついに諦めたキツネは「ふん。どうせあのブドウは酸っぱいに決まっている。いらないよ。」と捨て台詞を残してその場を去りました。

これは、有名なイソップ童話の一つの物語です。

ニーチェの「ニヒリズム」を表現しているようですね。

ニーチェは、”人間はつらい現実から目をそうけるため、無意識のうちに現実を逆恨みしてしまい、力強く生きることができなくなる”と考えました。

そのようなとき、人間は今生きている方が偽物で、自分が存在すべき本当の世界は別にあると思い込みます。

しかし、ニーチェは、本当の世界など存在せず、あるとすればそれは人間の思い上がりが生み出す妄想であると見抜いていました。

25歳という若さで教壇にあがったニーチェ。

しかし、彼の人生は決して平穏なものではありませんでした。

ニーチェは、いつか世間に認められるだろうと次々と本を書きましたが、全く相手にされることはありませんでした。

ついには大学をクビになり、思いを寄せていた女性にはフラれ、家族とも仲違い。さらには偏頭痛に悩まされるようになります。

しかし、ニーチェはどのような苦難が自身に降りかかろうとも、現実を力強く肯定し続けます。

“世界をありのままに受け入れ、積極的に愛すべきである”と、ニーチェは考えます。

ニーチェはそうした考えを「運命愛」と呼び、ブドウが取れない辛さを、ありのままの辛い現実であると受け入れ、「酸っぱいブドウ」は、自分で作り出した想像でしかないと認知。

そして、どのような苦しみもありのまま受け入れる肯定的な人間を、ニーチェは「超人」と呼び、皆が新しい人間として、力強く生きる世界を夢見ました。

残念なことに、第一次世界大戦後、その「超人」思想がヒトラー率いるナチスにより、ユダヤ人排斥、障碍者を強制的に断種するといった優勢思想に悪用されてしまいました。

このような悲惨な出来事もありましたが、ニーチェは、現実を力強く肯定する「生」の哲学者です。

 

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